天球のハーモニーを求めて

天球のハーモニーを求めて

アントロポゾフィー音楽療法士として活動されている宮沢あけみさんが、R・シュタイナーの黄道十二宮の詩からインスピレーションを受けて作曲された作品を発表されました。この作品は、シュタイナーの詩が持つ深い精神性と黄道十二宮の象徴性を音楽で表現しています。

≪著者のことば≫

 

『天球のハーモニーを求めて ~R.シュタイナーの詩に基づいた黄道十二宮の歌』

楽譜出版に寄せて

 

ドイツ語の名詞の先頭が大文字になることすら知らなかった私が、

音楽の専門教育を受けているわけでもなく、

和声も独学の私が、

ルドルフ・シュタイナーのドイツ語の詩を元に、黄道十二宮の歌を12曲つくり、

出版することになるとは……誰よりも私が一番驚いています。

 

黄道十二宮の響きは、聞えないと言われています。

けれども、だからこそ、聴いてみたい……と、突き動かされるように、導かれるように、

3mのシルクを12枚染め、ドイツ語の翻訳に挑み、調性に迷い……七転八倒の結果です。

 

12曲をつくり終えてから、このシュタイナーの7行×12連の詩が、

行ごとに七惑星にむけて書かれていることを知りました。

私が、韻(リズム)に惹かれ、すぐに意味はわからなくとも、

ドイツ語のまま受け取れない日本人にも、

音楽でなら受け取ってもらえるのではないか……と、

この詩にのめり込んでいった理由は、

シュタイナーのこの深き造詣にあったことをようやく悟りました。

 

これはひとつの試みです。

もちろん、完成ではありません。

けれども、12曲には、24調のすべての調性や7つの拍子が入り、

つくった私だけではなく、演奏する人、聴く人にとっても

「全宇宙の体験」になることに気づき、出版を決めました。

この楽譜を手に取った方の中で育っていくこと

― ゲーテの詩が多くの作曲家によって生まれかわったように、

この詩もこれがきっかけとなって発展していくこと ― を願ってやみません。

 

¥ 2,640